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会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座
会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座
文書作成日:2023/04/10



 子会社へ貸し付けている金銭債権は、税務上、貸倒引当金の対象とはならないのでしょうか?


出演:  … M社 経理部部長   … 顧問税理士



― M社 ―

M社経理部古門部長と顧問税理士が、打ち合わせをしています。




 弊社の決算で、確認したいことがあるのですが。




 はい。
 どのようなことでしょうか。




 貸倒引当金の設定ですが。
 親子間の金銭債権は、貸倒引当金の対象から外れたような話を以前伺ったような気がするのですが。




 そうですね。
 令和2年度税制改正により、貸倒引当金の対象となる金銭債権、いわゆる個別評価金銭債権や一括評価金銭債権といわれる金銭債権から、完全支配関係がある他の法人に対して有する金銭債権が除外されました。




 完全支配関係、ですか。




 完全支配関係とは、先ほどおっしゃった“親子”というのが代表的ですね。
 株式等を直接100%保有している場合だけでなく、間接的に100%保有している場合も該当します。
 また、たとえば私がA社とB社の株式等をそれぞれ100%保有している場合には、このA社とB社は完全支配関係にある会社となります。




 それですと、弊社が株式等の100%を保有している子会社に対して有している貸付金について、これまで一括評価金銭債権の対象として貸倒引当金の設定をしてきましたが、これができないということでしょうか。




 そうですね。
 税務上はできないことになりますね。




 そうなると、その分の戻入との差額が出る、ということになりますね。




 そうですね。
 仮に貸付金に対する貸倒引当金として昨年100繰り入れた場合、今年は100の戻入に対して、繰入は0ですからね。




 そうですよね。
 そのあたりを決算担当者に伝えないといけませんね。




 そうですね。
 今回の改正は、連結納税制度からグループ通算制度への移行に伴うものです。
 もともと、連結完全支配関係がある連結法人に対して有する金銭債権が除外対象だったものが、グループ通算制度へ移行することに伴い、このような改正となりました。




 弊社は、グループ通算制度は利用しませんが。




 御社がグループ通算制度を利用しようとしまいと、関係なく影響する改正となっています。




 まさか、これ以外にもあるわけじゃないですよね?




 残念ながらあります。
 たとえば、受取配当等の益金不算入の計算について、関連法人株式等または非支配目的株式等に該当するかどうかの判定について、単体ではなく、完全支配関係がある法人が有する株式を含めて判定を行う改正もあります。




 え?
 じゃあ、弊社だけでなく子会社が保有している株式等の状況の確認も必要ってことですか?




 ご理解のとおりです。




 完全支配関係が絡むものは、他にありますか?




 完全支配関係が絡むものとしては、収用換地等の場合の所得の特別控除などの特例を複数受ける場合が該当します。ただし、御社はこの特別控除を適用するような取引はされていませんので、今回の決算申告では、貸倒引当金と受取配当等の益金不算入あたりを気をつけていただくこととなります。




 そうですか。
 とりあえず、金銭債権の状況と子会社の株式等の保有状況を確認します。




 よろしくお願いします。


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